夏季〜秋季 限定発売 菊花せんこう
天然除虫草と菊科植物を主成分とした防虫線香 |
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あなたのご家庭では、どんな蚊取り線香をお使いですか? 最近は、渦巻きタイプはぐっと減っていて、液体タイプが主流のようです。 たしかに、火の心配はないし、「60日で1本」って感じで、手間いらずです。 しかし、その手間いらずが、知らない間に体調不良の原因になっている場合があります。 一般市販品の蚊取り線香の殺虫成分は、合成ピレスロイド系やアレスリンなどで、これらの成分が液体になっていたり、緑の渦巻きに染み込ませてあったりします。殺虫の目的で、これらの有害成分が空気中に散らばるわけですが、その空気を人間も吸い込んでいます。特に、眠っている間に何時間も吸い込んでしまい、アレルギーの原因にもなっていきます。 そこで、今回、夏季限定で、天然除虫植物を原料にした防虫線香を販売します。 これは、ピレスロイドやアレスリンをまったく使っていないので、薬事法上、蚊取り線香とは認可されませんが、その役割は十分に果たします。(ちょっとおかしな話ですが、事実です) 実はこの「菊花せんこう」、毎年品薄になる貴重品(?)で、お店によっては、1年前から予約するところもあるという商品です。 除虫草、木粉、デンプンなどを原料にした昔ながらの渦巻きですが、着色してないので、茶色です。燃焼時間は無風状態で、1巻で約6時間です。着火してから10分〜15分で忌避効果が現れはじめます。 一般市販品に比べて、煙が多いのと燃焼時間が短いのが難点ですが、刺激が少なく目や、のども痛くならないので、赤ちゃんやお年寄り、化学物質に敏感な方には、ぜひおすすめです。 |
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製造元鰍閧ね社コメント | |||
はじめに この無添加のお線香については、一般概論としてよりも、固有なお話として発展できるようにと、下記のように記述を試みました。 商品には誕生するまでに物語が有り、その時代を反映して社会に浸透していきますが、開発の目的意識がはっきりし過ぎると、今までの常識から外れる可能性を持っています。 完全分業による産業システムではなく、お線香の原料になる植物の栽培から製造・販売までに一貫した責任を負ってみると、その間に感じた社会の矛盾などが伝わってきます。そこの所を以後の記述からは、何となく感じ取って頂けるように工夫しましたので、商品購入のから使用した後の感触などで、いろいろな想いを汲み取って頂けたらと思います。製造、販売、消費の各分野への責任体制をはっきりさせた商品は、未来へ矛盾を放置しないのではないかと伝えたいのです。 消費者の意識 健康的な生活環境を維持している消費者の方たちは、大量製造で画一化された商品に頼らず、独自の知識や情報をもとにした消費形態を模索します。安全性を追求した商品の専門店経営者や、会員制の消費者団体などの組織管理者よりもさらに一歩先を行き、学習姿勢に裏付けられていて購買する商品に難易度を高めています。 農薬や添加物の危険性を充分に認知していて、食品などには配慮を事欠かなかった方たちが、日用生活雑貨品の添加物や原材料などにも環境ホルモン作用物質や発ガン物質があると気が付いた事が、その後の消費動向を大きく変えてしまうことになります。 家庭用殺虫剤 家庭用殺虫剤などの化学合成殺虫成分である総称ピレスロイド(アレスリン、フタルスリン、レスメトリン、フェノトリン、プラレトリンなど)は、神経毒性があり発ガン性も確認されています。また、医薬品である有機リン系殺虫剤(マラチオン)や有機塩素系殺虫剤は、農業用殺虫剤として農産物の栽培時に散布されています。それがそのまま家庭用品に使われ、消費者本人の認識がないまま購入されていたのです。 医薬品や医薬部外品は決して安全ではなく、安心して気軽に使用できるものではないことに気が付き始めたのです。 シックハウス症として日常生活で摂取させられる化学物質の多さと危険性を知る中で、個人として簡単に買わないことで対処できるのが、蚊が発生する夏場の蚊取線香などの殺虫剤でした。 しかし、薬剤使用を躊躇する反面、不快虫である蚊の駆除はしておかないと伝染病の心配もあります。蚊に刺されると、痒くてたまらないだけではありません。 防虫せんこう「菊花せんこう」 この防虫せんこう「菊花せんこう」を、蚊取線香と言ってはいけないことになっています。 一般的に蚊取線香と表示できるのは、薬事法医薬部外品として県知事の認可を受け、殺虫成分である合成ピレスロイドを含有している事が前提です。基準通りの殺虫力があり、安定して同じ製品を作れなければ、蚊取線香とは言ってはいけないのです。 天然植物だけを原料にした場合、製品となった時に少々のバラツキがあり、合成農薬を添加したものより殺虫力では劣ることになるのです。なにも蚊などを皆殺しにする必要もないと考えれば、忌避効果だけを優先し、尚且つ合法的商品にするために生活雑貨品とし、お部屋の防虫せんこうと分類しました。ですから表示できる効能にも規制があり、蚊などの衛生害虫に効果ありとは表現できません。 天然防虫せんこうの必要性 不快虫・衛生害虫である蚊などに対しては、刺された時の不快さや伝染病などの被害を予防するために、どうしても対策を立てたいと思うのは普通の気持ちです。しかし、これだけ環境衛生に配慮できる時代になった今、蚊を殺すだけでなく人体へも影響のある合成殺虫剤を大量に使用し続ける必要があるでしょうか? 蚊に対してよりも、人体や環境保全に対して悪影響を持つ薬剤には要注意し、自然が生物の共存のために与えてくれた植物から加工したモノを使う工夫をしなければならない時が来たと思います。 主要成分除虫菊とは キク科の多年草。バルカン半島原産。日本には明治初年に渡来し、全国で栽培された。高さ約50cm。葉は卵形で羽状に深裂する。初夏、径約3pの白色の頭花をつける。全草、特に頭花に殺虫成分のピレトリンを含み、蚊取線香や殺虫剤の原料とする。(三省堂の大辞林より) 英名:insect flower 科名:キク科 学名:chrysanthemum cinerariaefolium visiani 種類:工芸作物(殺虫薬用 主な栽培地:ケニア(最近はタンザニア産もある)。 除虫菊成分の安全性 白花除虫菊の花部に含有している有効成分名はピレトリンで、ピレトリンは6種類の化合物が混在している天然品です。 この除虫菊成分天然品ピレトリンは、昆虫に対し速攻的な殺虫効果がありながら、温血動物(人間・動物など)の体内では速やかに解毒されます。さらに、昆虫には抗体をつくらせない特徴を持っている唯一の植物です。 大学の研究機関によれば エストロゲンスクリーングテストの開発者ソトの論文および衛生学での実験では、これに関してピレトリンは陰性であると報告を受けています。 「菊花せんこう」成分 自社で着手した採集と栽培地の除虫草紛末(中国産)・除虫菊粉末(中国産)・除虫菊粕粉・木紛(国産)・タブ粉(国産)・食用澱粉(国産)が原材料です。合成殺虫剤や緑色着色剤など一切添加していません。 蚊に対する忌避効果は、アカイエカの吸血率を公共検査機関で実験し、そのデータをもとに製品化しました。 製造工程は、原料計量、混合、ねり合せ、押出し、打抜き、乾燥、包装、検品、出荷となっています。 主成分除虫草の説明 4000年の歴史を持つ中国では、人々が生命維持のため自然界から恩恵を受ける知恵を持っていました。 例え虫であっても有害なものは存在し得無いとの思想を持ちながら、しかし生活空間への侵入は防ぐ工夫をしていました。それが天然植物の除虫草です。この除虫草とは俗称で、学術名は別に有りますし、効能についても中国植物辞典に明記されています。 昔は普通に知られていましたが、残念なことに現在は絶滅寸前になっています。 この除虫草はごく一部の限られた地区でしか入手できず、種を壊滅させないために保護策が必要であると考えています。 「菊花せんこう」への想い 蚊取線香と呼びたくない理由に、この菊花せんこうへの想いがあります。機能性だけで言えば忌避防虫効果を期待しますが、嗜好性として私の幼少からの想いが製品の開発に強く影響を与えています。薫炎することで煙がでるものは、信仰などで用いるお線香がありますが、この煙や芳香が心に癒しの効果をもたらすことを上げたいのです。その昔の日常生活での衛生状態を想像すれば、この信仰で欠かすことができなかったのが、殺菌・防虫効果のある薫炎だったと思われます。信仰による精神作用と衛生効果が一体化した儀式の中心に、お線香があったのではないでしょうか。 製品の開発や販売に、個人的な思想を充分に反映させたものがあっても良い筈です。 終わりに これ以上生活環境を悪化させないため私たちに託された責任として、有害かも知れないと推測できる事柄には、毅然とした態度で立ち向うことが大切です。製造、販売、消費は同時に進行し責任を追及されます。作ってはいけない、売ってはいけない、買ってはいけないものは何なのかを考え続けて行きたいと思います。 2001年 株式会社りんねしゃ 飯尾純市 |