時代は熱水抽出法から「循環多段式加圧抽出法」へ

● 機能性食品の品質は抽出法で決まる

健康を増進し、病気を予防するために、機能性食品(サプリメント)を使うことは、いまでは常識です。のみならず、最近では、サプリメントの成分について気にされる方が増えています。サプリメントは、おもに植物に含まれる成分を原料とするものが多いので、原料の質とともに、その抽出法が品質のカギをにぎっています。一般に、植物の成分(ちから)を抽出するときは、植物の葉や根を煎じる方法(熱水抽出法)が用いられます。よく知られているのが、漢方薬ですが、この方法だと、成分(ちから)を少量しか取り出せません。これは、熱水だけでは、植物の頑丈な細胞膜を破ることができないため、植物細胞の中にある濃密な成分(ちから)を搾り出せないことが原因です。また、抽出するときに酵素を使ったり、化学的な処理をする方法もありますが、白然の植物成分(ちから)を壊してしまいます。この限界を「植物の細胞膜の圧力」に着目して克服し、従来の数倍〜数十倍もの成分抽出に成功したのが、バイオメディカル研究所が開発した「循環多段式加圧抽出法」と呼ばれる新しい技術です。


● つくしの強さから教えられた抽出法

「日本植物活性研究所」(札幌市中央区)の菊地所長は当初、ササの強力な組織にはばまれ、エキス抽出に失敗を重ねたが、試行錯誤を繰り返して10気圧以上の高圧をかけて加熱する「加圧抽出法」による方法を開発。世界で初めてササエキス「AHSS」の抽出に成功したという。

春に なるとつくしがアスファルトを突き破ってにょきにょき生えてくる姿は見過ごされがちなことですが、 強靭な植物の細胞壁を生み出す生命力の強さに思いを揺り動かされます。エキスを作る際、一般的な煎じるやり方では大事な成分はほとんど抽出されてきません。それは、細胞壁に秘密があるからです。




では、笹の葉を電子顕微鏡で覗いて見ましょう。この丸い穴の回りが植物細胞壁で、一つの穴は髪の毛1本〜数本分の大きさです。丸い穴は導管と呼ばれる水の通り道でとても高い水圧がかかります。大事な水を吸い上げる為のパイプラインが細胞壁で、鉄筋コンクリートと同じ位丈夫にできています。(特許)循環多段式加圧抽出法(特許番号3212278号・第3212940号)により時間をかけてゆっくりと熱と圧力を加えて抽出することができました。


● 植物の”圧力”が抽出法の秘密

循環多段式加圧抽出法のポイントとは、簡単にいうと、原料の組成、構造、成分に合った熱処理温度と所要時間の設定であります。従来の熱水抽出法は、 100℃で長時間煎じるため、抽出したビタミン、アミノ酸は一部分壊れたり、多糖類などといわれるものは、ほとんど抽出されていません。

例えば、最近注目されている多糖類の抽出量を比べた下記グラフをご覧ください。熱水抽出法との差は歴然としています。もちろん、熱水だけでなく、酵素を使ったり、化学的な処理をする抽出法もありますが、この場合には自然の成分構成が壊され、成分の力が失われます。では、栄養成分がきちんと抽出されているかどうかを確認するにはどうすればいいのでしょうか。その一つの方法として「力価」の分析があります。

「TNFα(腫瘍壊死因子)」という物質の誘導活性力を比較した場合、循環多段式加圧抽出法製品の力価が際立って高いことが確認されています。「効いた!」「治った!」という宣伝文旬だけが氾濫しているなかで、機能性食品の成分の科学的なデータをきちんと見定めることが求められる時代になってきました。